上等の印が僕をダメにした

金持ちや才能がある人の生き方を否定するわけではないのだけれど、

一気に飛び跳ねることよりも、一歩一歩、歩みを噛み締めて生きること。

それが最高の生き方だと思います。

できてもできなくても、楽しくても辛くても、

一歩一歩、今生きていることを感じながら生きて、生を実感して生活することこそが幸せですよね。

局面が変われば幸せの定義が変わるか?

それってたぶん幸せではない。煩悩です。

他人の持ってるものが良いと思ってるだけです。

自分の持ってるものが良いと決めてください。

他人のものよりも、自分が持っているものの方が貴重だと決めるんです。

揺るぎ無く尊いと。。

絶対的に良いか悪いかではなくて、

自分という主観で見て、自分が一番大切なんだと決めてください。

それで、相手、もしくは他人の大切にしているものの尊さを知るのです。

自分のカード、自分を大切にする。

あの人いいなって憧れって、あってもいいとは思いますが、あなたはあなたのオーナーであることを忘れずに。

意地汚くても、可愛くなくても、あなたが一番尊い、あなたにとっては。。

あの人は正しい。自分はどうか?

自分は正しい、あの人は尊くないのか?

それを繰り返しながら成長し、他人との距離を測っていく。

答えなどない。一生勉強。

一つひとつを大切にするって生き方って、別に一流じゃなくてもできるでしょ?

それぞれのレベルに合った手の掛けようで、心を込めてプラモを作るとか、

お茶を淹れるとか、画を書くとか。

大阿闍梨が言ってたように、若い時には勢いで一心不乱にいかなきゃいけない、駆け上がれないときもあるって。

そこまでの自覚はなかったけど、

やっぱり、競争があったら勝ちたかったし、抜きんでていたかった部分はある。

ギラギラしたものがあったというか。実際に能力が付いていたのかと言ったら、それはまた別の問題で。

恐らく、能力的に足りてなかったのだと回顧する。

ちょっと冷静に考えて、

できないが故に、

やっぱり、自分は特別でありたいという意識が強かったね。

また、特別でなければ、嬉しくないとも思ったね。

税理士○○○○じゃなくちゃカッコ悪いというか、拍が付いた勲章を持ってない自分ってカッコ悪いと思い込んでた。

でもそれって、外面しか見てないことに気づいて。

人生経験を積むにしたがって、肩書があれば人から認められていることになるのかとか、

実際、実務ができないのに名ばかり管理職であって、苦しくないかとか。

そういう問題と向き合って、一つ一つ、仕事を見ていったときに、

というか、趣味でモノづくりをし始めていったときに、

こういうことを大切にしたいとか、

ココは何度もやってるから、別のやり方で工夫してみたいとか、

いわゆる作業自体に面白みを感じるようになったというか、

偉くなりたいというより、仕事でも趣味でも没頭したい、上手くなりたいという気持ちが強くなっていった。

他人を監督することが偉いんだという錯覚を拭い去る、

作業の面白さというか、そういうものに触れて、

重用されるよりも、自分の楽しみとして仕事がないと続かないんだろうなっていうか、

仕事って、そのものに楽しみを見つけないと、

どんな偉そうに世界を変えたいとか、

イノベーションだとかって言葉を使ったとしても、それ自体が独り歩きして、実態が伴っていない。

そこを埋めるのって、下積みしかないんだなってことに最近気づきだして。

また、仕事が好きじゃないやつを出世させる会社ってないことにも気が付き始めた。

今の時点では、出世とか、格付けにこだわる何かは全くない。

そこで、何かの上等な印に栄光を幻とみていたんだなって。

そんな気がする。

金を稼ぐことが不潔だとか、そういう事を言う気は全くなくて。

金があれば、今までできなかったことができるようになったり、

しなくていいことをしないで済む。

そういう側面はあると思う。

雲が晴れたようにきれいな景色が見えたような気になったのは、

おそらく、資格をあきらめたから憑き物が取れたように解脱したというか。

人を肩書で評価して、格付けしていて、

それ自体が悪いことではないと開き直ってみていたことに気が付いたというか。

とことんやってみて、でもダメで。

それで社会に出られもせずに生きている奴がいるということを自分の実体験を通してみて、

じゃ、そんな自分が尊くないのかと言ったら、そんなことなかったりする。

今までできていなかったことができていたり、

冷静に物事を判断できる気持ちの整わせ方も学んできたように思うから。

もしかしたら、社会って、解像度を上げてというか、感度を高くしてみていったら、

そういう尊い人たちの集まりじゃないかってことに気が付くんだよな。

多分人生の最大の失敗は、そのままの自分でも特別な存在であるのにもかかわらず、

上等の印をつけないと自分じゃない、って思いこんでいたところにあったんだろうな。

それに自分が特別であることを求めたというか。

それを手放したとたんに、自分の力で勝負しようっていうか、

特技を生かしてできる仕事、やりたいことをやろうって、

そういう思考に変わったんだろうな。

作業が楽しいっていうか。

どういう工夫をしてやろうかって。

この価値観に気が付くまでに28年かかった。

稼げるようになってから言うセリフだけど、

欲に眩んだ夢ばかり追ってたんだな。