昭和四十年代、松下幸之助が「ダム式経営」の重要性を講演して回っていた。
ダム式経営とは、周りの環境変化に依存しないゆとりある経営のことである。
ある一人の経営者が、どうすればダム式経営ができますかと質問をした。
松下幸之助は、「まず願うことですな。願わないとできませんな。」と説いた。
その言葉にとても共感した経営者がいた。
京セラを立ち上げ、軌道に乗せようと奔走していたころの稲森和夫氏である。
後に、稲盛氏はこう言っている。
「できる、できないではない。まず、自分がどうしたいのか、強い願望を持つことが大切であることを、松下さんに教えていただいた。」
聖書にもこうある。
「求めよ、さらば与えられん。」
できるかできないかで悩む前に、やると決めることが大切です。
洋の東西に関わらず、まず自ら当事者になって主体的に動くことが必要であることを指摘した、重みのある言葉です。