A.円安とは外国の通貨に対する為替相場の状態を言い表した言葉です。
為替相場の決定の理論
為替相場は、大まかに言って、
円という通貨の量
と
ドルという通貨の量
の
比率で決まります。
現在の状態は、
1ドル=143円前後ですので、
世界中の円の量が、世界中のドルの量の
143倍ある状態
を表していると考えてください。
正しく説明すると、
ドルと物との交換価値と円と物との交換価値との比率で決まります。
1ドルで買えるものと143円で買えるものが釣り合う相場が、1ドル=143円であるということは、
話を分かりやすくすると、世の中に出回っている円の量がドルに対して143倍多いと考えられなくもないでしょう。
貨幣供給量とインフレ、デフレ、購買力については、次の質問で答えます。
2022/09/27
\143
2年前、ドル円相場は
1ドル = 106円程度でした。
2020
\106
この2年間の間に、37円程度円の価格が、「下落」しています。
この状態のことを、円安と呼んでいるのです。
なぜ円が「下落」していると、説明したのかをお話しします。
為替相場とは、円とドルの交換比率だとお話ししました。
こういう前提を考えてみましょう。
ハワイに行くことになりました。
銀行に行って円をドルに両替しなければなりません
上の図を見てもらうとわかるように、
2020年ころには、1ドルを手に入れるために106円を払えばよかったものが、
2022年9月ころには、1ドルを手に入れるためには、143円を払わなければならなくなってしまったのです。
2020年と比較して2022/09には、37円余計に支払わなければ、1ドルを手に入れられなくなりました。
これは、円の価値が下落したことを意味しています。
だって、106円だったものが143円になったんだから、円が高くなったじゃないですかって?
それが違うんです。
ドルと円の交換比率が、下落したと言っているのです。
円の価値の下落(減価)です。
交換比率ですから、
1:106 > 1:143 とあらわすことができますよね。
分母が大きくなれば、比率は下落したことになります。
計算してみましょう。
0.0094(1/106) > 0.0069(1/143)
になりますよね?
0.0094 から 0.0069 に
交換比率が「下落」していますよね!
このように、円の交換価値が下落したことを円安と呼ぶのです。