言葉の過不足

ある問題について、議論を進めていく過程を議事メモするとどうなるか。

自分の頭の中を整理するために、こんなメモを書き残す。

問題提起(議題):

スーパーマーケットのレジで自分の番が来たときに、「お願いします」という声掛けは是か非か?

是とする方の意見:

丁寧な声掛けであり、依頼する側としては妥当である。

非とする方の意見:

何を「お願いします」と言われたのかが不明確であり、レジ側としては、余計なことは言わないで欲しいと感じる部分もある。

例えば、「レジ袋をお願いします」と言われたのかもしれないと誤解して、不要な手間が発生する可能性がある。

仮説:

依頼する側と依頼される側に、言葉が足りないことのコミュニケーションがかえって、円滑さを欠いている可能性があるのではないだろうか?

対策:

「お会計、お願いします」と言えば、レジ袋を付けてくださいなのか、他のオーダーを依頼したのかを区別できるため、適切な声掛けになると考える。

注意点:

不要に長い言葉を付加するとメンドクサイ人になるので、過不足なく適切な言葉の選択が必要だ。

また、レジ会計に限らずTPOSにあった声掛けというものがある。忙しそうにしているときなどは、相手のガイドに従って、不要な声掛けを控えるという選択も必要な場面もあるのではないだろうか。

結論:

お会計お願いします、と言おう。

メモを起こしてみて気づいたこと、今の時点での議事メモに関する理解

思考の過程を順を追って見返すこともあるので、適切な見出しを付けて思考の展開を記録することの重要性を感じる。

考えを纏めたり、問題点を解決するための過程を順に追って思考するにあたり、適切に構造化された書き方を残すことで、チーム内で情報共有する目的でも、全体の中のどの部分を占める発言だったのかを視覚化することができる。

発言録は、誰が何を言ったかの記録だけであり、議事録は、議論ごとにまとめられたメモである。

議事メモとは、読み手の理解を助ける情報、つまり、その時部長の反応はどうだったのかとか、発言録に収まらない付加的な情報を加味すること。議題に対する仮説を補うことによって、具体的に何を想定して発言者の意見が交わされていたのかなど、会議の場で発言されていないが前提とされている条件などを書き表すことで、

その会議の中で、何が議題とされ、何のことについて議論が交わされ、最終的に何が決定されたかを、振り返ることが重要である。当たり前として暗黙知に欠落している情報を拾って補うことが、議事メモの役割である。(本にはそうは書いていないが、何を受けてその発言があったのかは補わないと論理がつながらない場面も考えられる。)

簡単に言えば、意思決定過程を、何も知らない第三者が読んで理解できるようなレベルで補ったもの。単なるメモであり、されどその場の状況をつぶさに伝えるための重要なメモである。