親の老後を考える

介護の本を読んでいる。

突然、親が倒れ、自宅での介護が必要になった時、あなたはどうしますか?

そんな問いに正面から向き合ってくれる実用書でした。

現在の政策では、2042年を境に高齢者人口が減っていくという。

恐らく、絶対数が減るということであって、高齢者の割合が減るという意味ではないと思われる。

この高齢者の絶対数が減ることが予測されるということを見越して、国は、個別の居宅で介護を想定した政策を取っていくという。

なぜか?高齢者施設を作ると、絶対数が減るのがわかっているのに需給の調整をしなければならなくなるからだ。

しかしながら、実際には居宅で介護をするということは、仕事を持っている人にとってとても負荷のかかることである。

現行の制度では、育児・介護休業法という法律があり、介護をする人がそれを理由に休みを取ることが当然の権利として認められているが、

現実には、数パーセントの取得率しかない。

名ばかりである。

休職中、何を頼りに生活をしていけばいいのかというと、事業者側には賃金の支払い義務はなく、

雇用保険から67%の給付がされ、それを頼りに生活していかなければならないという現実がある。

この本では、介護する側にとっても、収入の安定のために離職することを勧めてはいない。

しかし、現実には休業を取るよりも、親の介護を機に利殖する人の割合の方が圧倒的に多いこと。そこに誤りがあると指摘する。

では現実問題、どうやって親を介護するのかということになるが、

介護保険を有効に使って、地域包括支援センター、民間介護事業者のケアマネジャーに頼るのがいいという。

介護認定には、軽度から重度まで7つの段階を区切ってカテゴライズされるようである。

その介護認定の等級に応じて、保険で利用できるサービスが異なるらしい。

その枠内で、利用できるサービスは積極的に使っていくことを強く勧めている。

例えばこんな感じの考え方もある。

親の介護が必要になった時、介護保険の適用を申請し地域包括支援センターなり、民間事業者のケアマネジャーの介入を受ける。

そこで、例えば介護開始の初期に介護者が休職し、比較的時間があるうちに、定期的な施設の利用をしておくこと。

これは、ショートステイや、デイケアなど、もし介護者が仕事に復帰したときに被介護者を日中面倒を見てもらえる態勢と整えておくことによって、いつ終わるかわからない介護との戦いを有利に運ぼうというものである。

もし、施設の力を借りずに自力で居宅介護をしようとすると、介護者に突発的な用事があって家を離れなければいけなくなった時に、急な対応ができなくなるということから、事前に介護施設の利用を定期的に行い、

突発的な出来事に対応できる体制を整えようというものである。

介護者も、いつも100%じゃない。自分も病気になったり、年老いていくことも考えられる。親の介護が1年だけだと決まっているなら、無理も利くかもしれないが、10年、20年続く可能性もある。

そういうことを踏まえて、事前に手を打って体制を整える事が必要だと強く訴える。

考えたくないが、親もいつまでも健在ではない。

いつかは、子どもの生活扶助が必要な時がやってくる。

その時のために、今考えておくべきことがある。そんなメッセージを込めて書かれた本でした。