ブルースウェード・シューズ

尾藤イサオというロカビリーシンガーがいる。

何かのテレビ番組で、親友の尾崎紀世彦を思って歌った姿が頭にこびり付く。

生い立ちを振り返るラジオ番組があったが、かなりの苦労人のようだ。

私は、中学生のときジュンスカイウォーカーズというバンドに憧れていた。

高校進学も決まり、卒業式が終わるとエレキベースを欲しさにガソリンスタンドでアルバイトをした。

そこでは大きな失敗もあった。

普通のセダンに見えても、実はディーゼルで走る車がある。

「満タン、頼むよ!」と言われて、無鉛ガソリンをいれたら案の定エンストした様で、店主が謝りに行って車を引き取り、軽油を全部抜くなんてへまもやらかした。

高校生になってからも、夏休みの部活の練習の合間にやっぱりそのガソリンスタンドでバイトをさせていただいた。

どうしてもエレキギターが欲しかったのだ。

余ったお金で、青色のバックスキンのラバーソウルを買った。

学校にはいていくと、一日目に盗まれた。

体育のランニングシューズがあったので、家まで帰ることができたが、今考えると、先生方が素行の悪さを懸念して「捨ててくださった」のかもしれないと振り返ることがある。

尾藤イサオさんのように大切な友人をなくしたわけではないけれど、時々、元気してるかなと振り返ることはあるよ。

あの頃の友達のままで変わっていないわけはないけれど、

何のしがらみもなく、馬鹿な話でもしながら酒を飲みたいと思う今日この頃である。