法学を入門してみて思ったこと

法学の入門書を読んだ。

以前は、人によって解釈の違いがあるという言葉と事実は知っていたものの、そのことの意味する本当の意味を理解せずに使っていたところがある。

プログラミングをするとき、オブジェクト指向言語では抽象メソッドを定義することができる。

抽象メソッドとは、クラスに属するメソッドであるけれど具体的な実装を持たないもの。

つまり、中身は空っぽの定義することが条件としてクラスに定義されるもの。

実装の中身は、その場になって実装者の判断で決められるという関数。

法学の入門書に話を戻す。

制定法の条文は、抽象的にできている。

それは、つまり、立法者が法の運用を裁判官に委ねることを前提として、わざと抽象化して明文化したもの。

一見あいまいな表現になっている条文に見えても、敢えて法解釈の余地を残すことによって、いろいろなケースが考えられる複雑な現実社会の問題の解決を司法にゆだねるために、わざと意図をもって設計した抽象メソッドであったのだ。

この説明が自分にとっては一番腑落ちした。

だから、裁判があるんだということと併せて考えると、絶対的な正義というものはないのだということを改めて実感する。