2023 World Baseball Classic 、予選リーグの結果が出た。
日本は、全戦全勝で一次リーグを1位で通過、その結果を導いたのには、海を渡ってやってきた若き侍の姿があった。
ラーズ・テイラー・タツジ・ヌートバー(25)の活躍が光る。
持ち前の選球眼を武器に、1番打者の役目である出塁率を伸ばした。
守っては、軽く浮き上がった打球を猛ダッシュでスーパーキャッチ。
これぞメジャーのベースボールというダイナミズムを余すところなく披露する。
彼の侍スピリットは、礼儀に現れることで、ファンの間では有名だ。
センターの守備位置につく前に、外野席の観客に帽子を取って一礼をする。方向を変えて、また一礼。
そんな彼の姿を映した映像がネット上で広がると、瞬く間に日本人のファンの間にヌートバーを称賛する声が上がる。
読者の中には、武道の世界を経験されたこともある方もおられるかもしれない。
私自身も、小学生低学年の時に剣道の道場へ通っていたこともあり、高校生で剣道部に入部した。
剣道は、竹刀で相手の急所を打突する。
危険なことを承知の上で相手を棒で叩くことから、対戦相手へのリスペクトを示す行為を行う。
試合が始まる前に、一礼。加えて、「蹲踞(そんきょ)」の構えを取る。
蹲踞は、神の前に正々堂々戦うことを誓う行為だと解釈している。
侍にとって、戦に勝つことのみが美学ではなく、恥ずべき行為をせずに精いっぱい戦うことこそが、美学である。
ヌートバーが私たちに示してくれる美学とは、日本人の心であり、
侍として一番大事な心、謙虚である
謙虚は人を成長させ、反省をさせ、自分自身を戒める。
彼が私たち日本人に与えてくれたものは、謙虚さを失わず、自分の仕事に最善を尽くす、一所懸命の姿勢だったのかもしれないとビデオを見ながら見守った。
海を渡ってやってきた一人の侍に、期待される活躍はチームへと伝搬し、満開に花開くであろうか。
胡椒を挽く彼の姿が目に浮かぶ。
幸運を祈る!!