Q.なぜ為替相場が動くのですか?

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A.円とドルの量が増減するからです。

通貨供給量が増減する理由

世の中に出回っている円やドルなどの通貨の量を

貨幣供給量

と呼びます。

各国は、この貨幣供給量をコントロールすることで物価の安定を図っています。

この貨幣供給量をコントロールする責任を担っているのが、

中央銀行です。

日本で言えば、日本銀行。

アメリカで言えば、連邦準備制度理事会です。

なぜ物価が安定していることが必要なのかをお話しします。

その前に、インフレについて説明します。

定義ですが、継続的な貨幣価値の下落と物価の上昇、です。

どういうことを意味するのでしょうか?

いま、オレンジが1個100円で買えます。

たぶん、明日もオレンジが1個100円で買えるでしょう。

なぜそんなことを言うのかというと、オレンジの値段が1個100円じゃない状況も考えられるからです。

もしかしたら、1個120円に値上がりしているかもしれません。

明後日、1個150円に値上がりしているかもしれません。

お給料は1か月前にもらった25万円なのに、物価(オレンジの価格)がどんどん上昇していって、時々刻々と値段が上がっていく状況が考えられるんです。

当然不満が出ますよね?

物の価値が上がり続けて、お金の価値が下がり続ければ、生活が成り立たなくなります。

ドイツを例にインフレを考えてみましょう。

第一次世界大戦で負けたドイツは、戦勝国であるフランスに膨大な賠償金の支払いを要求されます。

支払い能力のないドイツは、信用価値のない紙幣を発行し、その発行したお金を賠償金の支払いに充てようと考えました。

その時、ドイツ国内で起こっていた経済現象がインフレです。

ドイツ国内で売られている物品の価値が、紙幣の乱発前の価値以上になり、相対的に貨幣の価値が下落したのです。

裏付けのない貨幣の発行は、インフレを招きます。

だってそうでしょ?世の中に100のお金が出回っていたときと、200のお金が出回っていたときの、お金とモノの交換割合が一緒になるわけがありません。

お金の出回る量が増えれば、お金の価値は下がります。当たり前です。

購買力とはこういうことです。

100で変えたオレンジが、200のお金が出回った時に、オレンジの半分しか買えなくなってしまうことです。

通貨1単位をで買えるモノの量を購買力と呼ぶのです。

それが、1日、半日、数時間の間にモノの値段が変われば、社会的に混乱を招きます。

そういう状態にならないように、物価の安定を監視するのが中央銀行の役目なのです。

ここまでいいでしょうか?

その物価安定の手段として、利子率を操作します。

物価安定の責務を担っている反面、その目標を達成するために、利子率を自由に決めてもいいですよと、権限を与えられているのです。

中央銀行は、基準貸出率という利子率の基準を決めて、一般の銀行に貸し出すのです。

この利子率が、どのように貨幣供給量に影響を与えるのかを説明します。

利子率は、中央銀行の任意の値を決めていいのです。

もし仮に、現在利子率が3%だったと仮定しましょう。

0.5%利上げすると聞きつけた民間の銀行は、より多くの金額を日銀に預けて、利息をもらうことを期待するでしょう。

すると、世の中に出回っているお金が、より多く日銀に移動することになります。

そうです。

世の中に出回っているお金の量が減るので、貨幣供給量が減ることを意味します。

貨幣供給量が減るということは、物と貨幣の交換価値を考えたときに、利子率を上げる前より物の価値が下落して、通貨の価値が相対的に上昇していると考えるのです。

逆のパターンを考えてみましょう。

0.5%利下げして、利子率を2.5%にしたとします。

民間の銀行は、以前と比較して利息の収入が期待できなくなるので、日銀からお金を引き出します。

するとどうでしょう?

世の中には、利下げする前よりも多くのお金が出回るようになるのです。

結果、貨幣供給量が増え、物と貨幣の交換価値を考えたときに、利子率を下げる前よりも物の価値が上昇して、通貨の価値が相対的に下落するのです。

こうやって中央銀行は貨幣供給量を、利子率を変化させることによってコントロールすることができるのです。

中央銀行が貨幣供給量を変化させるための動機は、景気の動向です。

企業は、余剰資金があれば設備投資をしてより多くの利益を稼ごうと考えます。

つまり、景気が悪いときは日銀が利子率を下げて、世の中にお金を供給してあげれば、企業は余ったお金を使って経済活動が活性化していくだろうと考えるのです。

反対に、景気が活性化しすぎて実態の経済力と金融活動がバラバラになってしまった場合、

日銀が利子率を上げて、世の中のお金の巡りを鈍化させて、いわゆる需要と供給のバランスを引き締める効果を発動させるのです。

ここまでの話で、利子率と通貨供給量が世の中に与える影響をお話しました。