3月25日

「真実」に開眼する。

イスラムの女性は、ベールをかぶり、その正体をさらさないという規則のもとに生活していることがよく知られています。

『外部にでている部分はしかたがないが、そのほかの美しいところは人に見せぬよう。胸には覆いをかぶせるよう』(コーラン24章31節)

性や欲情に対する闇の部分に焦点を合わせ、予め予見できるトラブルを回避することを前提に作られた戒律とも取れなくもありませんね。

イスラムの教えに逆らう気など、これっぽっちもないわけですが…、私は、ベールに隠された美しい部分を見破れる人になりたいなと考えている人間です。

先日、愛車のスーパーカブの一年点検を、中学校の同級生が経営するバイクショップに依頼したんです。

引き取りに自宅まで来てもらって、作業が終わり次第その日のうちに、納車してくれる便利なサービスだなって思ってました。

日ごろの不精な性格からか、バイクにはうっすらホコリがかぶっており、いつか洗車しなくっちゃなとは思っていたのです。

点検の日から一夜明けて、隣町の喫茶店にカブに乗って、コーヒーを飲みに行きました。

降りる時に気づいたんですよね。「洗車」してあることに。

カブに乗ったことがある人は分かると思いますが、座るとき、いったんシートに腰を落としてから、前に足を曲げてまたぐんです。

すると、風防の真ん中にあるプラスチックのカウルの一部分に、靴の底などが当たって、汚れてしまうんです。

整備と洗車をしてくれた僕の同級生とは、在学中は同じクラスになることもなく、お互いにどんな奴かってことは、当時は知りもしなかった仲なんですね。

30年近く離れ離れで、私のバイク購入を機に、改めてお付き合いが始まりました。

気さくな性格と、丁寧な仕事が彼も持ち味で、信頼して頼りにされるお客さんでいつもにぎわっています。

彼は、良かれと思うことは、進んで事を成すエンジニアです。

その仕事の中身は、素人では理解ができずに「ベール」に隠された仕事も少なからずあろうことかと思います。

彼の「そのほかの美しいところは人に見せぬよう。」の精神は、私自身が学んで、また私がサービスを提供するお客様にたいして、

彼が、「当たり前」にしてくれたように、するべきことを指して示してくれているような気がしてなりませんでした。

仕事をする人間としても、仲間を思う友達の心の在り方としても、彼には及びようもない敗北感を感じる出来事でした。

面と向かっては言えませんが、尊敬する彼へ、これからもよいお付き合いができますよう願っています。

これからもよろしくお願いします。